日本一アツイ教育を実践する男が語るBLOG

免疫は両刃の剣

ある本に岸本忠三博士が「免疫病との闘い 世紀を超えて」という、
私たちの生活に直結する非常に興味深い書かれていました。

それによると、戦後わが国では、昔はほとんど見られなかったアレルギーによる
病気がたくさん現れるようになりました。
抗体というのは免疫細胞であるTリンパ球が、体内に入ってきた微生物などの
異物を排除するために作る物質で、体を守るためのものですが、
一方ではアレルギーを起こすことがある。

簡単に言うと、まず免疫細胞であるTリンパ球には、Th1とTh2という2つのものがあり、
Th1は体の中に入ってきた微生物などに対して抗体をつくり、
病気になるのを防いでいるのですが、
これに対してTh2は、アレルギーを起こす作用があることがわかってきました。
Tリンパ球がTh1の方向に行くかTh2の方向に行くかは、
外界の環境によって決まります。

つまり、外界に細菌やウイルスなどの微生物がたくさんいれば、
それから体を守る抗体を作らなければなりませんので、Th1の方へ行くのですが、
反対に非常に清潔な環境ならば、抗体を作る必要はありませんのでTh2に行くのです。

日本では戦前あるいは戦後まもないころには、花粉症の人はほとんどいませんでしたが、
今や全人口の10%くらいの人が花粉症といわれるくらいに、花粉症の人が増えてきました。

これはなぜかというと、日本は戦後、経済が急速に発達して生活は豊かになり、
私たちを取り巻く環境も、以前に比べて非常に清潔になりました。
また、医学の知識が広がり日本人の考えが大きく変わって、
細菌や微生物は病気を引き起こす悪いものであると考えるようになり、
国全体で極端に細菌や微生物を殺す方向に進んできました。

例えば、抗菌グッズなどといって、日常使うものにも抗菌の薬が使われておりますし、
また微生物を殺す抗生物質を含んだ薬が普及して、
患者さんが少しでも熱を出すと、すぐに抗生物質を与えるお医者さまもいます。
さらに、私たちが毎日食べている食品にも、多量の抗生物質が使われているものがあります。

これらのことから、私たちを取り巻く環境は極端に清潔になり、
Tリンパ球が抗体を作るためのTh1の方に行く必要がなくなりましたので、
自ずからTh2の方に行くようになり、そのために花粉症の人が非常に増え、
また、アトピーやその他たくさんのアレルギー性の病気が
起こるようになったのだと考えられます。




プロフィール

Author:矢野 一成
愛媛県新居浜市 アール塾塾長

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